親子で挑戦
春から、親子でロードバイクをはじめました。
小学6年の息子が「やってみたい」と言いだしたのがきっかけ。
僕もロードバイクの世界なんて何も知らないけれど、子がしたいというのなら、親は全力で伴走するのが我が家の流儀です。
初めての挑戦は、奈良から妻の実家がある神戸までの100kmライド。
普段は何もない山道を走っていることもあり、都会の信号だらけの道に悪戦苦闘しながらも、小さな体で懸命に僕の背中を追いかけて完走。
ゴールしたときの、あの誇らしげな笑顔は、今でも忘れられません。
奈良にて
出走直後のまだあどけない顔
神戸着
自信に満ち溢れてた良い顔をしています。
次なる舞台は「しまなみ海道」。
尾道から今治まで、道を間違えながらも全力で走り切った80km。
絶景を楽しむ余裕なんてなかったけれど、ひたすら二人でペダルを踏みました。
やり切った!
そして迎えた本番「京都美山サイクルロードレース」。
これまで短い期間だけど懸命に練習をしてきました。
息子にとっては初めて、また僕にとっては25年ぶりの「競技会」
大会特有の緊張感が体を強張らせます。
走り出した瞬間、静寂の中に響く自分の呼吸、張りつめた空気、集中のなかにある高揚感。
「ああ、この感覚が味わいたかった」と、全身でレースの醍醐味を感じました。
でもそれ以上に、息子がひとりでレースに立つ姿を見守るのは、胸が熱くなる経験でした。
自分がかつて味わった「勝負の世界」に、今度は親として立ち会う。
小さな体で、しっかりとスタートラインに立ったその姿に、誇りと感動を覚えました。
完走後、彼はぽろぽろと涙をこぼした。
うれしさも、悔しさも、安堵も、全部まざった涙。
これが挑戦。
挑戦には不安も痛みもつきものです。
それでも、やってよかったと思えるのは、一歩踏み出したからこそ見える景色があるから。
この夏は、8月の「シマノ鈴鹿ロード」に向けて、また親子で走ります。
中学生になると、少しずつ一緒に過ごす時間も減っていくかもしれません。
だからこそ、今しかないこの時間を、思いっきり共に駆け抜けたい。
そして、挑戦することの大切さを、背中で伝えたい。
父として、建築家として、そして一人の人間として。
これからも「挑戦する姿勢」を大切に、息子とともに歩んでいきたいと思います。